ゲド戦記 5 アースーシーの風

ゲド戦記 5 アースシーの風

ゲド戦記 5 アースシーの風

内容(「MARC」データベースより)
故郷のゴント島で妻テナー、養女テハヌーと共に静かに余生を送るゲド。
竜が暴れだし、ふたたび緊張が高まるアースシー世界。
テハヌーは王宮に呼び出され、レバンネン王から重要な使命を与えられる。



やっとこ読了。
終わったので映画も見に行ってきましたよ。
さて、今回はテハヌーと新たな登場人物の呪い師がメインといえます。
ゲドもでてきますが、ほぼ活躍せず。
ほんと邦題は考えてつけてくださいよーとかおもう。
この作品はアースシーという世界のある一定の部分を切り取ったお話なんですから。


テハヌーがとても大人になってます。
映画のイメージとはまったく違って、とても陰のある美しい力のある女性に成長しています。
世界のゆがみを直すというお題目とは別に男と女のある戦いを描いています。
その戦いから逃げようとするアレン。
だから彼はとても人間らしくいらついてたりします。


カタストロフィーは物語的に最後のほうではないので、エンディングに拍子抜けするかも?
でも私はかなり好きですけどね。
世界が変わっていく予感を含めて物語は終わるのですが、
テナーがゲドのところに帰ってきたとき、変わり映えしないものがそこにあります。
世界が変わろうと、変わらないものがあるというのもル・グインのいいたいことなのかもしれませんね。
あと、ゲドは力を失ってしまってますが、いまだ大賢者の席は空席です。
そのあたりも、何か示唆する部分があって面白いですね。