ゲド戦記-★★

シナリオを作成する上で、まぁ大抵最初に言われることは、「説明セリフばかりになっちゃいけないこと」「伏線は活用しましょう」ってことが多いですよね。


正直いうと伏線は活用できてません。
原作読んでない人になぜテルーがドラゴンになったのか?とかわかんないだろうなぁ。
アレだと単純に物語をひっくり返すためのご都合主義っぽく取られてしまうのではないだろうか〜?
魔力がなくなっていってる魔法使いのことも説明セリフ。
かつ何で魔力がなくなっていってるのか、事件解決後、果たしてこの世界がどうなったのか?
竜は西の果てからどうしてきたのか?などの数々の謎もほったらかし。


テルーの養い親のテナーとゲドの関係もちゃんと説明されず、
無理やりアチュアンの遺跡の件とか出さなきゃいいのになぁ。


というか無理やりテルー、テナーを出す意味がわかりません。
宮崎アニメとして少年少女ワンセットは、はずせないもんなんでしょうか?
アレンが王様刺して逃亡させなくてもいいと思うし、あの辺りのシーンもいるのかなぁ。
(原作のアレンのその後を考えても、ちょっと意味不明なエピソードだ)


全体的にこのシーン要らないんじゃないの?とおもうことしばしば。
素直に1巻の影の戦いと3巻の死者の国の話とをがっちゃんこさせて、
ゲドとアレンの物語にしたほうがすっきりしたように思うんだけど?


竜と人が一緒だった話とかそれホント、それだけでひとつの作品出来ちゃうし、
テナーが開放されるまでの物語も後のゲドとテナーの関係を暗示していて一言で語れないと思う。
それに原作読んでなかったらアチュアンの遺跡から助けてくれたのよという
テナー言葉に共感できないんじゃないかな?


がんばって5冊になるそれぞれのエピソードを盛り込みましたーというのはわかったけど、
原作読んでもいない人からすると、何が言いたいのかもわかんないし、
読んでる人間からは原作の持つあの濃く暗い影の部分がまったく消えうせていて、
絵の情報量がどうよとか、テルーの歌がいいとかの前に欲求不満になりましたね。
なんかアニメに詳しい人が言ってたけど、登場キャラのボタンがまったく同じだったらしいです。
絵的にも薄いという感じを受けました。


エンターテイメントはやはりシナリオ(ストーリー)の出来不出来の割合が
とても大きいということを理解しよう。