王妃の離婚(佐藤賢一 著)

直木賞を取ったのは結構最近の話かと思っていたのにもう、文庫になっていたところをみると3年くらいたっちゃったんだねー・・・と思って購入。

 確か私が大好きなチェーザレ・ボルジアがヴァレンシア公となる(そしてフランス病となってしまった)原因のジャンヌ・ドゥ・フランスとルイ12世の離婚訴訟をあつかった小説だ。
はじめて読んだ作家ものだけど、流石にオール読物の新人賞で出てきただけに読みやすい、構成力もあるといった内容。

 主人公フランシスが憎むルイ11世の娘をなぜか離婚訴訟から救うため弁護を試みるというのが大きなあらすじなんだが、最終的には恋愛の話です。
誰と恋しているのかっていうことは、読んでみてのお楽しみってところですが。

 なぜ主人公はそこまで鬱屈しているのか?
それが読みすすめていくうちに大きな謎となったのですが(誰かを憎む所まではわかるんだけど、その痛みの深さはどこからきているのかが結構考え込んでしまったんであるのだが)最後の方でその理由がわかって、そして癒される。

主人公だけでなく、そのほかの登場人物の再生の物語なんだなぁ。